ISSEY MIYAKEを知る-ファッションデザイナーが語るものづくり
ISSEY MIYAKEといえば、ディテールまでこだわったアイテムが人気のブランドです。
この記事では、ISSEY MIYAKEの歴史や代表的なラインから、素材や機能へのこだわりを見ていきましょう。
また、ファッションデザイナーの宮前義之氏が語るISSEY MIYAKEのものづくりについても紹介します。
ISSEY MIYAKEとは
ISSEY MIYAKEは、三宅一生が創業した日本のファッションブランドです。
素材や服作りの研究によって、デザイン性も機能性も高いアイテムを生み出しています。
ISSEY MIYAKEの経歴
1970年、三宅デザイン事務所を設立。
1971年にニューヨークコレクションで、「ISSEI MIYAKE」としてデビューしました。
服作りの研究を重ねる
1980年代は紙やプラスチックなど、布以外の素材を使用した服作りに挑戦します。
1988年には「製品プリーツ」という独自の製法を開発し、PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKEを展開。
1998年、クリエイティブディレクターの藤原大と共に、一本の糸、一枚の布から服を切り出す製法を開発します。
この「一枚の布」は、今日まで続くISSEY MIYAKEのキーワードです。
数々のデザイナーが引き継ぐISSEY MIYAKE
2000年からは三宅一生が第一線を退き、滝沢直己がデザインを担当します。
2007年には藤原大がクリエイティブディレクターに。
その後、2011年からウィメンズを宮前義之、2013年からメンズを高橋悠介が担当。
現在はウィメンズを近藤悟史、メンズをデザインチームが担当しています。
ISSEY MIYAKEのライン
ISSEI MIYAKEが展開しているラインは、全部で9つ。
その中でも代表的な、6つのラインを紹介します。
ISSEY MIYAKE(イッセイ ミヤケ)
コンセプト:「一枚の布」という考えをもとに、新鮮な発想で身体と衣服の関係を探求する
服作りでは、各パーツを切り出して縫い合わせるのが一般的です。
しかしISSEY MIYAKEでは、一枚の生地から服を切り出して縫い目のない服を作ります。
これは、オリジナル素材や服作りの研究を続けてきたISSEY MIYAKEだからこそできる技です。
IM MEN(アイム メン)
コンセプト:実用性と機能美を追求した、男性のための新しい日常着
IM MENは「着心地の良さ」「手入れや収納のしやすさ」など、現代に求められる実用的なメンズウェアです。
再生素材を使ったアイテムもあり、サステナブルな時代にマッチしています。
PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE(プリーツ プリーズ イッセイ ミヤケ)
コンセプト:機能性と着心地の良さ、美しさを兼ね備えた「製品プリーツ」技術による衣服
独自の「製品プリーツ」手法で作られた衣服のラインです。
プリーツは見た目が美しいだけでなく、「軽くてシワにならない」「コンパクトに折りたためるので収納や持ち運びに便利」など機能性にも優れます。
A-POC ABLE ISSEY MIYAKE(エイポック エイブル イッセイ ミヤケ)
コンセプト:「A-POC(一枚の布)」の可能性を発展させる
「A-POC」とは、「A Piece Of Cloth(一枚の布)」のこと。
もともと、ISSEY MIYAKEでは服作りのプロセスを変革させてきましたが、さらに発展させるために「A-POC ABLE ISSEY MIYAKE」が立ち上がりました。
たとえばハイネックを丸首に、長袖を半袖にと服の形を自由に変えられます。
このように自由度の高い服は、ISSEY MIYAKEならではの魅力です。
BAO BAO ISSEY MIYAKE(バオ バオ イッセイ ミヤケ)
コンセプト:三角形で構成する、革新的なコンセプトと製法によるバッグ
三角形のピースを組み合わせて構成されたバッグです。
物を入れたり、バッグを置いたりするたびに形の変化を楽しめます。
また物を入れていない状態なら平面にできるため、持ち運びや収納にも便利です。
me ISSEY MIYAKE(ミー イッセイミヤケ)
コンセプト:軽量でコンパクトなストレッチプリーツと遊び心あふれる衣服
軽量でコンパクト、手入れも簡単なストレッチプリーツを使用した衣服です。
他のラインに比べて、色やプリントのバリエーションも豊富。
遊び心のあふれるアイテムが特徴的です。
ISSEY MIYAKEのデザイナーが語る、ファッションデザイナーの仕事
「FASHION PRESS」では、ファッションデザイナーの宮前義之氏が、ISSEY MIYAKEでの仕事を語ったインタビューを掲載しています。
過去にはISSEY MIYAKEのウィメンズを担当し、現在は「A-POC ABLE ISSEY MIYAKE」のヘッドデザイナーである宮前氏のインタビューを、一部を紹介しましょう。
最初は分からないことだらけ
宮前氏はISSEY MIYAKEに入社してすぐ、素材の知識がないためにミーティングでの会話についていけなかったそうです。
そこで工場に足を運び、機械や糸、染色について現場で勉強したとのこと。
「とにかく見て触って覚えるうちに、理解できるようになってきた」と語っています。
新素材の開発のプロセス
宮前氏は、蒸気で縮む新しいプリーツ素材「スチームストレッチ」など、新素材を開発してきました。
開発にはまず、自分が持っているノウハウを元に仮説を立てます。
次に、工場で検証。
入社時に知識を勉強したように、素材を開発する時も、工場へ何度も足を運んだそう。
工場で働く方に「実現できない」と言われることもありますが、ビジョンを共有して地道にすり合わせをしていきます。
ISSEY MIYAKEでは、1本の糸を作るところから工場と共同作業をするそうです。
今後の服作りについて
服作りを進化させてきた宮前氏ですが、「今後は技術の進化だけにとどまらないようにしたい」と語っています。
そのためには、「服作りの背景にある物語が必要」とのこと。
宮前氏は、情報やモノがあふれる時代だからこそ、物語から生まれる体験や時間に価値があると考えています。
ただ服を着てもらうのではなく、服が着る人の手に届くまでどんな物語があるかを知ってもらうことが大切とのことです。
>>【インタビュー】イッセイ ミヤケのデザイナー宮前義之、「一枚の布」の概念のもと進化するものづくり – ファッションプレス
まとめ
「一枚の布」をキーワードに、素材の研究を重ねてきたISSEY MIYAKE。
デザインだけでなく機能性にもこだわり、着る人のことをよく考えたアイテムを発表してきました。
ISSEY MIYAKEが人気なのは、人々が求めるファッションを見極め、それを実現する技術力があるからでしょう。
服飾ファッション専門教育機関のエスモード東京校では、ファッショントレンドや服作りの技術を基礎から学び、ファッション業界で活躍するための技術を身に付けます。
講師陣は、ISSEY MIYAKEをはじめ、有名ブランドでの勤務経験があるファッションデザイナーやパタンナー。
くわしい授業内容は、公式ホームページでチェックしてみてください。
この記事を執筆したエスモードなら就職率は約90%以上!
エスモードでは毎年卒業生全員が、デザイナー・パタンナーなどの専門職で就職しています。
デザイナー、パタンナーを育成する総合学科では、各学生を理想のキャリアに導くカリキュラムが組まれています。このカリキュラムの実践を通して、流れの激しいファッション産業界で即戦力として通用する人材を育成することで、他の追随を許さない圧倒的な就職実績を誇っています。ご興味がある方はぜひ下記リンクをご確認くださいませ。
中央校